町会・自治会は災害に役立つのか?
近年災害の多い日本列島。
災害時の備えとして自治会に加入しましょうという声をよく耳にします。
しかし果たして災害時に地域組織は役に立つものなのでしょうか?
東日本大震災や熊本地震。
自治会は何をしたでしょうか?一部の成功例はありましたが、多くは混乱していて自治会どころではなかったと言いますね。
ではここの地区ではどうであるかを考察してみましょう。
災害時には避難所に行くことになると思いますが、当地区から最寄りの避難所としては
「H小学校」「S高校」「N中学校」があると思います。
それぞれが行ける場所に行くことになると思います。
それはどういうことか?
「町会単位」でまとまっての避難ではないということです。
各自がそれぞれ違う場所に行きます。その避難所が満杯であれば他の避難所を探してそこに行かなければなりません。
またそれぞれの避難所には多くの違う町会・自治会の人が来ているはずです。帰宅難民である通りすがりの人や外国人も入ります。
つまり、町会単位での防災対策はあまり意味をなさないということです。
避難所ごとに組織づくりをしたほうが効率的であるからです。
そこにいくつもの自治会が入り乱れ、統制権が混乱することはかえって避難所運営を停滞化させてしまいます。
町会・自治会ができることは備蓄と防災訓練くらいしかありません。実際に災害が起きたとき、防災のエキスパートではない素人ができることは限られています。
地域性もあるでしょう。
避難所の区域と町会のエリアがほぼ一致する地域であれば、多少は防災的に機能することも考えられますが、都市部でとにかく人口が多い地域はそれを期待することは無理です。
普段から顔見知りになっておきましょうなどと言いますが、生活スタイルの違いや価値観の違いなどもあって、それも難しいと思います。
行政は自主防災組織の設立を推奨していますが、ここの町会にはそれがまだありません。町会の規模が大きすぎて対応が難しいのだと思います。
別組織を立ち上げるわけですから、入会手続きや個人情報についての同意など、クリアすべき課題はいくつもあると言えるでしょう。
大災害はすぐそこまで迫っています。
空虚な理想論ではなく、何が本当に役立つのか?それを考えるべきだと思うのですが。
(追記)2016.5.21
今日の「船橋よみうり」という地域紙に、熊本地震に於いて期待された自治会はまったく機能しなかったという記事がありました。
(追記)2017.9.29
当町会に「自主防災組織」が存在しているようです。船橋市役所から平成26年頃に1000世帯未満という規模に対する補助金80000円が支給されています。
しかし、一般会員に周知されていない防災組織っていったい何なのでしょうか?まったく機能していないと考えられます。
防災先進地域である静岡県などには、こうした組織がほぼ100%で組織されていますが、現状は「幽霊会員」が多いという分析結果もあります。
どうすれば機能するのかは真剣に考える必要があるかもしれません。